トップリーグ1stステージ第3節プールB　〔9月14日〕
クボタスピアーズvs東芝ブレイブルーパス(20:22)マッチレポート

　トップリーグ開幕から第3節、各チーム2試合を消化して今期のチーム状況が明確になってくる頃であろう。クボタは初戦のヤマハ戦で先制トライを奪い善戦するも反則とハンドリングエラーで自滅したが第2戦では立川の見事なPGで近鉄に競り勝った。東芝に勝って波に乗りたいところ。対する東芝は初戦のキヤノンに2点差と辛勝したが、第2節のコカコーラ戦ではセットプレーなどで圧倒し7トライを奪って完封し快勝、両チーム良い雰囲気で第3節を迎える事になった。

9月とはいえ、台風18号の影響で蒸し暑い。試合に先立ち、前座試合として神奈川県ラグビースクールの小学校1年生の試合が行われた。チビッコラガー達のプレーにスタンドや、試合前の選手達から大きな声援が送られていた。

その子供達のエスコートで入場し、16時に東芝のキックオフで試合開始された。

試合はすぐに動き、開始1分東芝のキックオフ直後のクボタボールを東芝が奪い取り、クボタ陣左隅のゴール前ラックから主将の望月が抜け出してトライ、10番ヒルのゴールも決まり7:0とあっさり先制する。このまま日本代表を多数擁する東芝のペースで試合が進むかと思われたが、ここから赤いジャージを着たクボタが躍動する。

9分、クボタは東芝陣内深くにけり込まれたボールを拾うと素早く右に展開し、最後は右サイドゴール前ラックから2番立川がトライ、10番立川のゴールも決まり兄弟による得点で同点に追いつく、ここからはクボタのペース。22分、28分と立て続けに立川のPGで逆転し31分には、クボタが東芝陣に入りモールサイドの連続攻撃から、素早いバックスの展開で左ライン攻撃でフリーになった12番セイララへのパスが周り左隅にトライ、10番立川のゴールも成功して20:7とリードを広げた。東芝は、相手陣22m付近のPGからラインアウトでのトライを狙うがクボタフォワードに粘り強いディフェンスに我慢しきれずバックスに回すが、ノッコンなどのミスもあり得点できない。前半終間際にヒルのPGを返すのがやっとで前半は20:10で折り返す。

後半も、クボタが東芝陣での優勢に試合を進めるが、後半9分にクボタ陣にけり込まれたボールを東芝がキックチャージしてすぐに展開し、最後は11番豊島が左中間にトライして、10番ヒルのゴールも決まり20:17と迫る。しかし、クボタの旨い攻めで東芝エリアでのせめぎ合いが続く。東芝はなかなかクボタエリアに入れずこのままクボタが逃げ切るかと思われたが38分に一瞬の隙を突いて、後半14分から入れ替わったスタンドオフの森田が自陣10m右サイドから相手陣ゴール前にキック、そのボールを23番クーパと11番豊島が奪い、最後はクーパが左隅にトライをしてついに東芝が逆転する。クボタも残り4分、東芝陣深くに攻め入るが最後はペナルティを与えてしまい、ノーサイドのホーンが鳴った。

東芝はクボタの素早いアタックや縦の攻撃に苦しみながらも後半無得点に抑え逆転勝ちした。しかし、クボタは東芝に負けないブレイクダウンや素早い展開で、チーム力に差がない印象を受けた。東芝は後半クボタに得点を許さないにディフェンス力を出した事が最後の逆転トライに繋がった試合であった。マンオブザマッチは、切れの良いコントロールされたキックで常にクボタのポジショニングを優位にしていた10番の立川理道が受賞した。

クボタスピアーズ記者会見ダイジェストより

石倉監督
今日の試合の感想としては悔しいに一言。ゲームは、セットで男押されない事や低く当たる事など、ほぼプラン通りできた。また、全員が力を出し切るプレーができたと思う。
今野主将:監督と同じく悔しいの一言。全員でブレイクダウンやスクラム、バックスの展開も含め、最後まで良いゲーム内容で試合が出来ていたと思う。

―――80分ハードに戦うためどういった準備をしましたか?
石倉監督
今の時期は選手の消耗が激しいが、春から最後まで激しくプレーして力を出し切れる練習をしてきた。この試合でもそれを実証できたと思う。
―――立川選手が12番から10番になったが?
石倉監督
どちらでも良いプレーが出来る選手であるのが強み
―――イースト戦から上がってきてトップリーグとの差を感じた事は?
今野主将
イースト戦でもトップリーグチームとの戦いを常に想定した練習をしてきたので差を感じていない。今回の東芝戦についてもあまり差を感じなかった。今回の敗戦を分析して次戦の戦いに活かしたい。
―――前座試合の小学校1年生のチビッコラガー達に一言
今野主将:私は高校からラグビーをやったのですが、小学校1年生からラグビーが出来る事は幸せな事だと思います。これからも楽しくラグビーをプレーしながらずっと継続して欲しいと思います。

東芝ブレイブルーパス記者会見ダイジェストより

和田監督:最後に勝てた事は良かった。この試合ではメンタル、スタイル、継続性について一貫性を持って望む事を目標にしたが、厳しい試合だった内容から得たものを今後に活かせたい。
望月:試合の入りは良かったものの、相手のディフェスを崩せずミスをして乗り切れない試合だった。後半はディフェンスも落ち着き我慢が出来たと思う。最後の逆転トライは我慢した結果相手の裏を見ながらの森田のキックが、逆転トライを生んだと思う。
―――僅差の試合だったが?
和田監督:キープしてもバックスでのキープ力やエリアマネージメントがうまく行かず最後まで乗り切れない試合だった。
―――イーストから上がってきたチームとしてのクボタの印象は?
和田監督:今は、どのチームも差がない。常にチーム力を上げるよう修整して行かないと上位に残れない。
望月主将:縦が強い印象。ブレイクダウンは互角に感じた。今年のトップリーグチームは、すべて力を出し切らないと勝てないチームばかりだと思う。
―――昨年は負けているが、次戦のリコー戦に向けて
和田監督:今の時期は選手の消耗が激しいが、そのバランスを見ながらバックスとフォワードのキープ力を上げるようにしたい。
望月主将:バックスとフォワードの力と決定力を信じてプレーしたい。
―――最後に、前座試合やエスコートしてくれたチビッコラガーへ主将の一言
望月主将:私も神奈川県出身(桐蔭学園卒)なので、小学生からラグビーを楽しんで、中学もずっと継続し、神奈川のラガーとしていずれ高校や大学でも神奈川ラガーマンとして継続して欲しいのと、2019年のラグビーワールドカップにはきっと神奈川出身のラガーが出てくれると思うので、頑張って欲しい。
★両チームの主将より、RSの皆さんにコメントを頂きました。スクールの皆さんも、いずれはトップリーガーを目指して頑張って下さい!

試合後に行われるアフター、マッチファンクションより

主管した神奈川県協会の三浦書記長の司会で、齋藤会長の挨拶、丹治理事長の乾杯の挨拶ではじまり、各チームキャプテンの試合の感想と挨拶、原田レフリーからの挨拶がありました。歓談中は各チームの選手がお互いの健闘を讃え合う姿や友人との再会など盛り上がっていました。勝敗に関係なく、チームを越えてそれぞれの選手やスタッフが親交を深めていました。

(神奈川県協会広報　勝又　修)

開催日時	2013年09月14日（土）16時00分　K.O
会場	ニッパツ三ッ沢球技場

クボタスピアーズ			東芝ブレイブルーパス
前半	後半		前半	後半
2	0	T	1	2
2	0	G	1	1
2	0	PG	1	0
0	0	DG	0	0
20	0	小計	10	12
20		合計	22

結果詳細