鎌倉ラグビースクールのこの1年
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運営委員長 高 橋 秀 和
 平成14年度の鎌倉ラグビースクール中学の活動は、新任・木野ヘッドコーチの「鎌倉単独チームによる県大会への参加」という第一声からスタートした。
 鎌倉は中学生生徒の減少により単独チームが組めず、県央チームに参加させてもらうという状況がここ数年続いていた。まず生徒数の拡大が図られた。
 幸いにもYCACラグビースクールのご厚意もあり、YCACの小学校卒業生4名が鎌倉RS中学に入校するなど、次第にチームの形が整い始めた。

 春季のゲームは5月25日の交流戦、6月2日の武蔵野RS定期戦遠征、東海大相模高、法政二高等のラグビーフェスティバルにおける各RS交流戦を行った。
 7月26日〜29日、栃木県塩谷町休養村センターにて夏合宿、28日午後、恒例の対コーチ戦ではシーソーゲームを展開、合宿成果の一端を見せてくれた。
 合宿後、初めての試みとして8月の毎日曜日、キャプテン大月君主導の下に自主練習が行われた。
 和気藹々の雰囲気の中で、各中学生の“素”の姿に接することができた。
 ハンドリング、ランニングといった個人スキルの基本を確実なものにする良い機会にもなった。

 9月15日の交流大会より秋のシーズンに突入、10月13日県大会初戦、対県央戦からAチーム、Bチームとも全6戦を鎌倉単独チームで戦い抜き、Aチームは1勝5敗,Bチームは5勝1敗でシーズンを無事終えた。
 Aチームは春の成績から見ると不本意な結果だったが、各スクールとも秋には見違えるようなチームに仕上げてきており、底力の違いを思い知らされた。
 Bチームの健闘は望外のものであり、来季への展望を明るいものとするに十分な結果を出してくれた。
 ともかくも全試合、鎌倉RSチームとして戦うことができたことを喜びたい。この間に奔走されたヘッドコーチはじめ、中学担当コーチ陣の尽力と思う。
 県大会後、鎌倉RSからは東西対抗戦に4名が出場、うち1名が神奈川選抜に選出された。

 個人的にはこの1年間、ジュニア・コーチソサエティの一員として各スクールの中学生と接する機会を与えられ、春秋のジュニア一貫プロジェクト合同練習、東西対抗を経て、神奈川選抜チームが次第に形づくられていく過程を目のあたりに見ることができた。
 中学の晴れの舞台も、東日本大会、全国大会と次第に充実したものが整えられてくるに違いない。
 我々も一ラグビースクールに終始するのみでなく、広く神奈川全体まで視野を拡げなければならないことを痛感させられた。
 改めて各スクールの枠を超えて活動されている選抜チーム監督、コーチ陣、コーチソサエティの皆さまのご努力に感謝したい。

 小学生も6月2日の武蔵野遠征、6月23日湘南ラグビースクール交流大会、7月7日田園ラグビースクール来征とゲームが続いたが、対田園RS戦では全学年とも完敗を喫した。
 田園RSの攻守にわたる基本に忠実なプレーには目を見張らされると同時に、学ぶべきところも大きかった。

 秋の県大会では、13年度は各学年ともメンバー不足に悩み、下の学年の生徒を借りて県大会スケジュールを辛くも乗り切ってきたが、14年度は何とかぎりぎりながら、他学年の助っ人なしでゲームをこなすことができた。成績は各学年とも芳しいものとはいえない結果に終わったが、来季の成長に期待したい。
 小学生といえば、長いラグビー人生から見ればほんの入口で、ここでの成績で一喜一憂しても始まらないが、聞くところによると今年度は県大会全体で100点差ゲームが多かったという。
 広い神奈川県を東から西へ、北から南へ巡ってゲームを行い100点差だったのでは負けた方はもちろん、勝ったチームも得るものは少ないだろう。
 ラグビーの楽しさを知る前に、入口から出ていってしまう子供も出てくるに違いない。
 100点差ゲームの増大は単に表面的な実力差の拡大のみを意味するにとどまらない。
 大袈裟にいうならミニラグビーをスポイルする危機を孕んでいるようにも思われる。もしこれが全国的な傾向でもあるならば、5人制、7人制、9人制と細分化されたミニラグビー規定の見直しをも含む再検討が必要になるだろう。

 遠ざかるグラウンド、過密化するスケジュール、そして拡がる点差、神奈川のミニラグビーを巡る状況は厳しいが、楕円球があり、そこに子供たちが集まるかぎり、道は開かれるに違いない。