クラブ委員会 長井 勉
| 早稲田大学ＶＳタマリバ観戦記 | |
| 穏やかな日差しが注ぐ秩父宮ラグビー場。駒場ＷＭＭに快勝し（64-17）、全国クラブチーム1,000の頂点に立ったタマリバクラブ（神奈川県協会所属）。 日本選手権１回戦は昨年同様、「荒ぶる」軍団、早稲田大学となった。 ゲームの鍵は、ベテラン仕事人・岩下を中心としたスクラムワーク、部員の全べクトルを自らに向けさせたスキッパー・井戸。空中制圧を狙う桑江。ハードタックラー陣の3列目。経験豊富な石橋、竹山のＨＢ団。最年少大松、ジャンピングキャッチ名手・若野の切れとスピードの両ＷＴＢ。そのためにはセットで互角に戦い、早い早稲田のボール出しを少しでも遅らせ、ラックサイドを突いて前へ、そして若き哲学者・宮原（浅野高校―東大）を起点にＢＫ勝負のシナリオと予測した。 だからこそ早い仕掛けの早稲田にタマリバ陣22Ｍ以内での反則は避けるべきである。 |
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| （前半） | |
| キックオフ直後、タマリバ応援団、その数30名程が「Amazing Grace」のメロディーに乗せて「タマリバ」連呼が場内に響いた。しかし、しっかり相手を止めていても、その後の早稲田の展開に対応できず、オフサイド、ノットリリースを繰り返した。 その結果、早々に2分，8分とトライされた。21分には、14人マイボールラインアウトでのチャンス創出もトライにつながらない。 その後、粘り強いディフェンスをかけ続けていた結果、31分、早稲田陣22Ｍ付近、宮原の強烈なタックルが炸裂し、前に落としたボールに石橋が反応し、大松に渡りトライ。 その後、勢いづいたかに見えたＦＷ井戸、棚橋、桑江、小泉の突進も単発的で連続攻撃につながらない。パスミスや次のブレイクポイントでナットリリースなどを犯し、少ないチャンスを潰してしまった。 |
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| （後半） | |
| タマリバのストラテジーは、ラインアウトの精度を高め、ブレイクポイントで粘り強くからみ、早稲田のリズムをいかに崩すか、そして早い時間帯に得点することと予想した。 3分、早稲田ＳＯ山中のキックからＣＴＢ坂井がトライ。 しかし、6分、タマリバＳＨ石橋がＰＧを決め、26-8と追い上げたかに見えたが、8分、早稲田快速ＢＫ、酒井、村田、中濱とつながれトライ。18分にはタマリバ自陣ゴール前７Ｍ付近の反則で得たＰＫを早稲田はスクラムに選択。ＳＯ山中が切れ込みトライ、31-8と差をさらに広げられた。 21分、タマリバ若野から交代したトライ王・ＷＴＢ高木（横浜ＲＳ―湘南工科大付属高―明治学院大）がクロスからボールをもらい疾風の如く切れ込み、タックル後ラック。そこから出たボールを石橋、竹山とわたり石川がインゴールにキック。ＦＢ飛野が押さえトライ。鮮やかな連続攻撃で38-13とした。 その後、肝心な時に倒れこみの反則を犯すなどチャンスをつかみ切れない。疲れが見え始め、甘くなった防御、安定しないスクラムを突かれ28，36，40分に早稲田はトライ。５５−１３でタマリバを振り切った。 昨年同カードで1トライも挙げられなかったタマリバだが、今年は2トライ。クラブチャンピオンの意地を1年間の集大成として随所に見せてくれた。 |
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| （終りに） | |
| 神奈川県協会所属のタマリバは、クラブチーム対象の神奈川県クラブ委員会（加藤正文委員長）主催のスキルアップ講座指導などに自発的に協力いただき、県内クラブチームの手本として、ライバルとして見つめられながら常勝を背負う。 これからの1年、「今」を積み上げることしかないタマリバ闘将・井戸はつぶやいた。「努力をやってきて初めてみえる景色、上がれる舞台、届く声援ってのがあるんですよ」と。 負けたとはいえ、ノーサイド直前にインゴール側観客席から再び響いた「Swing Low」は、タマリバ選手だけでなく、観客を心地よく爽快にさせたに違いない。 一方、勝利した、いわゆる「清宮チルドレン」早稲田、早くも2回戦相手サントリーに照準を合わせた。 |
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| （神奈川県協会：長井 勉） | |
) 早稲田スタンドオフとの攻防 |
) 秩父宮ラグビー場にはためく 神奈川県ラグビーフットボール協会旗 |
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